カテゴリー「35特集「環境共生住宅」」の記事

2014.07.26

編集長日記【7月26日】

26日土曜日

朝から車で深江に。8時半深江集合。

9時半に船坂に集合して、エコいえづくり体験ワークショップの予定だったのだけど…いろいろと忘れ物をしていることが判明。持っていくものリストを前の日に作っておけばよかったのに…。

まあ、山岸さんにご迷惑をおかけしちゃって、いろいろと反省 ( : _ ; )

ワークショップそのものは、とても楽しく進行しました。子供たちはたくさん集まってくれたし、冷房のない体育館で暑かったのに、とっても楽しんでくれました。



屋外ではこんな実験も


私のレクチャーにもなかなか反応がよくて、気持ち良い限り。

今回は、前田ゆりさんにも参加していただいて、草屋根の話をしていただきました。エコいえづくりについてもアドバイスをしてもらったりと、参加者の皆さんにとってはとても贅沢な時間が過ごせたのでは?



芝棟です!


そして、このワークショップ初の、芝棟。これは、前田ゆりさんがいなければありえなかったことじゃないかなあと思います。子供たちは素直に柔軟に前田ゆりさんの話を吸収してくれました。



前田ゆりさん。
船坂に前田さんが設計された喫茶店。
ベルグさんで撮影。


とにかく、参加している子供たちはとっても意欲的で、「こうするともっとエコかもよ」というアドバイスには即座に反応するし「この材料はエコですか?」とか「煙突はどんなはたらきをしますか?」など、質問もたくさん飛んできます。

そして…難問の質問「切妻屋根の棟を、南北方向にするのがエコか、東西方向にするのがエコか?」という質問には私も即座に答えられず…
前田さんにお聞きしたら「棟を東西方向にすると、南面が亜熱帯、北面が温帯〜冷帯というように、屋根の中で変化が楽しめる」というナルホドなお答え♪

(実際には屋根の問題だけじゃなくて、建物全体の受熱量の問題なので、屋根だけで考えるのは難しいですが…正方形平面で考えると屋根と妻面だけの問題として抽出できて…
ああ、でもやっぱり難しいね…)

まあ、そんな風に楽しく製作ができました。やっぱり子供たちと何かを作るのって楽しいよねえ。

実はまた8/4に同じワークショップを西宮市南部で開催する予定。なかなかの人気授業になっております。

皆さんも機会があればぜひ♪



大活躍の美女お二人♪


終了後は関係者の皆さんと打上げ。
お酒飲めなくても、打上げは楽しめることを知り、ひとつ大人になった編集長なのでした(笑

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.10.01

仮設住宅での結露対策勉強会(2)

応急仮設住宅での結露問題から始まったこの話題ですが、ちょっと寄り道して参考にさせていただいた本のご紹介から始めましょう。

そもそも日本人の生活は間欠暖房であり、しかも局部暖房であるから、基本的に結露しやすい性質をもつ。またこの30年の間「断熱すれば結露はとまる」という単純な考え方がはびこり、結露の源である水蒸気の制御が忘れられている傾向がある。断熱さえすれば結露がとまると言えたのは、昭和30年代の非気密住宅の時代のことであり、昨今では「断熱と換気と住まい方のバランスがとれないと結露はとまらない」と言うべきである。結露という問題は、理論的に追求していくと、きわめて複雑、難解なものとなる。本書では、数理的になりやすい理論展開を極力避け、実用面から説くよう心がけた。専門外の方方にも理解されれば幸いである。
──「結露をとめる 」(山田雅士著,井上書院,1987年)より引用

元ネタは古いけど、結露の問題とその対処法に関しては、それほど議論に進化はないので、古くても分かりやすい方がありがたい...ということで、この本を例示しておきます。

それから、結露の問題と解決については、

この本も参考になりました。トラブル事例が豊富かつ、図面入りなので、結露事故事例集として使えます。事例をたくさん理解することで、どんな建物が結露に弱いかを身を以て体得することが可能です。
一度全部眺めておけば、結露を誘発しかねない建物を設計してしまう危険を回避できるかもしれません(読んでも、覚えてないとダメだけどな…)

さて。

前回の記事でご紹介した、編集長が作った仮設住宅における結露対策テキストをご紹介しときましょう。全9ページです。慌てて作ったものなので不完全な部分も多いですが、ご批判をいただいて、より役立つものにできればいいなあと思っています。

「結露をとめるテキスト」をダウンロード

クリック↑でPDF書類が開きます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.09.28

仮設住宅での結露対策勉強会(1)

編集長は昨年9月より、毎月1回〜2回のペースで気仙沼市内に通っています。兵庫県の「兵庫県東日本大震災に係るひょうごまちづくり専門家派遣」の適用を受けて、復興まちづくりの専門家として、気仙沼市内の各地の地域の皆さんの、防災集団移転や住宅再建、復興まちづくりなどの相談に乗っています。

気仙沼には、ボランティアさんをコーディネートしたり、仮設住宅での生活の支援をしたりする活動を続けている「ボランティアステーションin気仙沼」という団体があり、編集長はこちらの活動のお手伝いも(時々ですが)しています。

ボランティアステーションin気仙沼の皆さんからは、冬を前にして、仮設住宅の結露問題が深刻であるというお話を伺いました。仮説住宅自治会へのアンケートでも半数以上の仮設住宅で結露に悩んでいるという結果が出たそうです。

仮設住宅は応急的に作られたこともあってか、寒冷地にある割にはその性能が十分とは言えず、あとから断熱材を付加したり、風除室を設けたりという対応がなされてはいるものの、やはり冬の寒さへの対策がまだまだ十分とは言えないようです。

根本的な解決はボランティアベースでは難しいので、仮設住宅の住民の皆さんやボランティアさん達の素人だけでも対応できる結露対策はないかと相談を受け、まずはボランティアステーションin気仙沼の皆さんに結露についてきちんと知ってもらおうと、スタッフの皆さんに授業をさせていただいてきました。ボランティアステーションin気仙沼では、後日、仮設住宅の自治会の皆さんに集まってもらって、結露対策の勉強会を開き、いろいろと知恵を共有されたそうです。

勉強会のようすはこちら↓
結露勉強会@ボラステ | ボランティアステーションin気仙沼
【結露についての勉強会】を行いました! | ボランティアステーションin気仙沼

これからも微力ながら、皆さんのお手伝いができればいいなあと考えています。

と、ここまではわが社のブログでもご紹介した通りです。そして、本紙ではもう少し突っ込んで、結露の話などをしてみようかと思ったり、この勉強会用に作成したテキストをご紹介しようかなどと思っていたのですが、ちょっと長くなりましたね…。これはまた来週にしようかな…。

乞うご期待!(笑

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2012.09.13

環境共生住宅シリーズ第1部はひとまずこれで終了

さて、新シリーズ。皆さんいかがですか?

なんだか、ちょっととっつきにくい話題だったのと、私の文章があんまり魅力的でないのとで、皆さんから反応がないので編集長は少し元気を失っております。Twitterボタンはつけてみたけど「いいね」ボタンも付けてみたら少しは反響が増えるのかしら?

(ココログ的に付け方分からないけどな…)

シリーズはまだまだ続きますが、これまであんまりウケがよくなかった反省をこめて、これまでの新シリーズ8回の記事のタイトルを変更しておきます。タイトルでは失敗したと思っているのよ…内容が分かりにくいものね。


1-1. 環境への意識は革命的に変化してきた
1-2.環境に対する意識はどのように培われてきたのか
1-3.エコに関するキーワードから見る社会の変化①
1-4.エコに関するキーワードから見る社会の変化②
1-5.企業をめぐる環境配慮的考え方の変化
1-6.企業における社会的責任の重要性
1-7.CO2排出削減における住宅の位置づけ
1-8.地球温暖化ってホントなの?


あ、あと読者の皆さんからは「文章が長いねん」というご意見もいただきました。まあ、SNS暮らしが長くなると、長い文章は面倒だという気持ちはよく分かります。

でも、そこで甘えちゃだめ。そこをあえてのブログ新聞復活って方向です。

編集長、しばらくSNSをサボってますが、Twitterはなかなかよくできたオモチャだと思っています。そして、簡単なコミュニケーションについていえば、かなり有効なツールだとも思います。

編集長も、自分で考えていることを140字にまとめる技能を磨いてたクチですからね。俳句や短歌のように限られた文字数と限られた形式の上に宇宙を描いてみせるっていうのが、技量の見せドコロだったりしますよね。

(あ、要するに字が多いのが私なのか…)

でも、そこはやっぱりオモチャでもあります。オモチャだと言い過ぎか…。良く言い換えれば、俳句や短歌と同じような形式芸術だと編集長は思っています。一つの作品としては成立するし、思っていることの微妙なニュアンスぐらいは伝えられるけど、その作品が成立した背景や、前後の事情を盛り込むにはどうしても限界がある。

140字で伝えるられること、伝わることっていうのには必然的に限界があるのです。

それはそれでコミュニケーションの方法としては面白いし、だからTwitterが流行しているのだとは思います。だからその可能性は追求したい。

でも、その前に立ち止まって、ちゃんと自分の立ち位置を確認しなきゃ。
そのためには、こうやってちゃんと書くのが大切かなあと思うのです。

さて。そんなワケで環境共生住宅シリーズの第1部は終了です。第2部は住宅そのものの性能についてのコアな議論になると面白いと思っているのだけど…。いつ始まるのかな(笑)

始まるまで、しばらくは、ゆるゆる書く予定です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.09.12

1-8.地球温暖化ってホントなの?

なぜ今、環境共生住宅なのか(8)

地球の温暖化によって、好影響を受ける地域もあるらしい

さて、前回CO2の話が出てきましたね。CO2の排出量の削減がテーマだと。
なぜ皆がCO2にこだわるのか?この話が地球温暖化を防止しようって話とつながるのってことは皆さんご存知ですよね。でもそんなに簡単な話でもないってあたりを見ておきましょう。

環境問題に関する取り組み、特に地球温暖化に対するヨーロッパにおける取り組みは世界的に見てかなり進んでおり、積極的に対策が考えられています。

とりわけ、緯度の高い位置の国が積極的に取り組んいます。これは一説によると、温暖化により北極の氷が解けることで、周辺の海水温度が下がり、ヨーロッパの高緯度沿岸部の北大西洋海流の流れがとまり、寒冷化が進むことが危惧されているため、とくに高緯度の地域での温暖化に対する意識が高いためといわれています。

また、温暖化により、現在の農作物が育てられる北限の位置が変わり、中国内陸部などは砂漠化の可能性がある範囲が広がると考えられており、穀倉地帯の分布が変わることも予想されています。

一方、地球の温暖化の影響は、こうした環境悪化の側面だけではありません。例えば、北海道やアラスカ、シベリアの一部などでは、温暖化により農作物の作付けが可能となると予測される地域もあります。現に、以前は不可能と考えられていた北海道における稲作が可能になりつつあることなどは、温暖化による恩恵とも言われています。

現状で寒冷地ゆえの厳しさに苦労している地域では、一概に温暖化のストップが利益になるとは言えない場合もあるようです。このように、温暖化による地球上の環境変化は非常に複雑な様相を呈しています。

と、ここまで見てきたけど、実はCO2は地球温暖化の犯人じゃないという説もあります。編集長は全くもって専門外で、どっちが本当なのか分からないのよね。
でも、いずれにしてもCO2の排出量を削減しようとするのは、エネルギー消費量を減らすことにつながるワケで、そういう意味ではCO2の排出量削減は悪いことではない。と、そういうふうに考えます。

というワケで、今後の議論ではCO2については取り扱いません。

どうやったら地球環境に負荷をかけない暮らしが可能か。それを少しずつ考えていきたいと思います。

少しおやすみをもらって、次回からは暮らしの話にしていきたいと思います。

お楽しみに♪

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.09.11

1-7.CO2排出削減における住宅の位置づけ

なぜ今、環境共生住宅なのか(7)

増え続けている一般事業所や家庭でのCO2排出量が注目されている

さて、前回まで少し企業のことを話してたんですね。
今回は、住宅における環境配慮の重要性についてみてみましょう。

ところで(っていきなりですが…)「京都議定書【※1】」ってよく聞きますけど、皆さん、その内容をご存知でしたかね?案外内容を知らないヒト多いよね。議定書のことは知ってても…。

「京都議定書」は、2008年から2012年までの期間中に、先進各国の温室効果ガスの合計排出量を、1990年に比べて少なくとも5%削減することを目的としたものです。各国に削減の割当量を定めていて、日本は6%の削減量を割り当てられています。

この削減量の目標達成のため、国内でも多くの取り組みがなされ、一定の効果を上げてきました。しかし、電力・鉄鋼などのいわゆる基幹産業セクターでは削減量にも限界が見え始めています。一方、一般事業所や家庭(いわゆる民生セクター)での排出量は増加の一途をたどっていることから、最近ではこの民生部門での排出量の削減が大事なのではないか、と言われるようになってきました。

実際には全体の排出量に対する家庭からの排出量はそれほど大きくないんです【※2】。なので、あんまり家庭で消費される電力を悪者にするのはどうかとも思います。家庭でのCO2排出削減量が全体のエネルギー消費量に大きな影響を与えるようなことは、現時点では考えにくい程度の量なのでね。

でも、家庭での電気の使用量が増え続けていたのは事実だし、日本全体でCO2排出量を削減しようというときに、家庭での排出量削減の努力も必要だという理屈をあえて否定する理由もありませんよね。

んで、特に、家庭でのCO2間接排出量の主力は電気によるものと言われています。ここでは、一般家庭において、石油を原料とした電力の消費はできるだけ抑えることが重要と考えられています【※3】。例えば、数年前に発表された、住宅部門における白熱電球を廃止するという政府の方針も、この考え方をベースにしています。蛍光灯やLEDの方が、同じ明るさでも電力を消費しないからね。

CO2の話をする時に、原発の話をしないのは問題があるのだけど、原発問題はアップツーデート過ぎて編集長にはよく分からない部分も多いので、とりあえず今は触れずに通り過ぎときます。いずれ議論が必要だと思ってはいますけどね。

と、言い訳をしたところで今回はおしまいです。
CO2の話が出たから、次回は地球温暖化との関係の話にしましょうか?
もしかしてCO2って地球温暖化と関係ないの?って話も出てきます。
次回もお楽しみに♪


─────────────────────────
※1
1997年。正式には「気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書」署名国84か国、締約国172か国。この議定書は、アメリカ・ロシアが批准していないことから、発効が遅れていたが、2004年のロシアの批准により2005年2月に発効した。
※2
間接排出量ベース、家計部門と考えても約2割、このうち自動車分が3分の1程度。
※3
このことから、国を上げて取り組んでいるように見えるオール電化推進は、実はCO2削減に結びついていないと見る向きもある。しかも化石燃料でない電気のメインは、原発が作っていたという事情もあるので複雑だったりしますよね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.09.10

1-6.企業における社会的責任の重要性

なぜ今、環境共生住宅なのか(6)

エココンシャスであるどうかが企業収益を左右する時代が到来している

さてさて♪
このシリーズも6回目です。
前回は、エココンシャスな消費者に引きずられて、企業もだんだんエココンシャスになりつつあるというお話でした。今回は、それをもう少し突っ込んでみてみましょう。

このように、エココンシャスであることが企業イメージを向上させるとの判断から、多くの企業が企業の社会的責任【※1】を果たすという形で「環境対策」への取り組みを行うようになってきています。

CO2削減の努力をしていない企業の商品を買わないといった明確な不買運動を行っている消費者は未だ少ないでしょうね。でも、商品の選択の際の指標として、その商品がエコ的であるかどうかを気にする、エココンシャスな消費者【※2】は多くなっているような気がしますよね。

「今や、環境コンシャスであることは、企業イメージ向上の手段などではなく、企業の環境分野は重要事業で、収益を左右している」とまでいうご意見にも出会います。【※3】

ともあれ、企業にとって「環境に配慮した企業活動がなされているか」ということが重要となりつつあるとみて間違いはないように思います。近年では環境コンシャスであるということが、企業の社会的責任概念の重要な一支柱だったりして、エコファンドなどのSRI(社会的責任投資)とともに、今後、重要な資金調達源となってくる可能性もあります。もしかすると、こうした社会的責任を果たせない企業は、どんなに収益を上げていても、資金調達の道を断たれるという可能性も指摘されつつあるようです。【※4】

まあ、ここまで言うと、かなり極端な気が今はしますよね。でも、ホント、社会って5年後には常識がひっくり返っていることあるからね…。それはこのシリーズ第1回で書いた通りです。


さて、今回はここまで。
企業をとりまく状況を概説したので、次回は、少し住宅の話に戻りましょう。
ついこの間まで、CO2の排出量を削減しなきゃ!ってみんな叫んでたよね…。
福島の原発の事故以来、なぜかあんまり聞かなくなっちゃったけど…。
問題としてはなくなったワケじゃないので、京都議定書あたりから、少しおさらいをしましょう。
まあ、地球温暖化の犯人はCO2じゃないって説もあるので、なんともいえない部分があるんですけどね…(それもオカシな話だけどな)

お楽しみに♪


─────────────────────────
※1
近年では、CSR(Corporate Social Responsibility)と表記されることが多い。
※2
多くの消費者は、今のところ「エコ的であることは気にするが、やはり価格とも合わせて検討する」という態度を崩していないという報告もある(財団法人日本環境協会「 エコマークと消費者意識調査(H12)」)。しかし、この傾向は少しずつ、エコ重視に傾きつつあるようにも見える。
※3
日経ビジネスオンライン「環境活動が収益まで左右」2007年2月6日記事
※4
実際にはまだまだそんなことにはならないかもしれない。今のところは、儲けがあるところに資金が集まるという原則がそう簡単に崩れることはないようにも見える。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.09.07

1-5.企業をめぐる環境配慮的考え方の変化

なぜ今、環境共生住宅なのか(5)

企業活動における、エココンシャス性が重要視されるようになっている

さて、これまでキーワードを見続けてきました。
今回から2回ぐらいをかけて、一般企業もエココンシャスでないとダメな感じになってきたというあたりの話をしていきましょう。

民間の企業活動の変遷をみてみましょう。
これまで述べてきたように、一般市民の間で、環境配慮的な考え方は様々に形を変えながらも、次第に根強いものになってきています。これに合わせて、民間企業でもその姿勢に大きな変化が見られるようになりました。

環境配慮の工夫が企業社会に求められるようになったことが顕著に分かるのは、1995年前後にISO14000シリーズ【※1】が登場したことではないかと思います。現在では、日本の企業でも取得しているところがかなり増えています。「事業者の環境配慮促進法【※2】」によって独立行政法人などで「環境報告書」が発行されるようになり、さらに、環境省のガイドラインによって民間の企業でも環境報告書を発行するところが増えています。

もちろん、これまでだって、地球環境を守り後世によりよい環境を残すことは、皆の責務であると考えられてきました。だけど、利潤追求を主目的とする民間企業では、これまで環境配慮へのコストは利益引き下げ要因として軽視される傾向にあったといえます。

しかし、一般社会の意識は大きく変化してきています。同じ価格帯であれば環境に優しい商品を選びたいという消費者動向も見えつつあるといいます。そして、この動向を一般企業も無視できない状況になってきています。このようにお客さんに引っ張られる形で、企業の姿勢が徐々に変わりつつある、あるいは変化せざるを得ない状況にあるといいのではないかと編集長は思っております。そして、この傾向は、住宅産業の業界においても例外とはいえないように思われます。


今日はここまで、
次回は「エココンシャスでないと売れないよ」って時代の到来についてのお話の予定です。
時代は変わりつつあるなあ…って編集長は思いながら書いてるのよ♪
お楽しみに♪


─────────────────────────
※1
1992年地球サミット(リオ)を契機に1996年から発効されている。最も有名なのはISO14001「環境マネジメントシステム」
※2
2004年。独立行政法人や国立大学法人などに「環境報告書」の発行を義務づけている。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.09.06

1-4.エコに関するキーワードから見る社会の変化②

なぜ今、環境共生住宅なのか(4)

サステナブルの意味、知ってますか?
持続可能って何のこと?

さて、このシリーズも順調に続いておりますな。三日坊主ではないところがエラいです。
(↑誰もほめてくれないので自分でほめておきますねー)
今日はちょっと変な日本語「持続可能な」について考えます。

エコに関するキーワードについて考えるときに、もう一つ社会のトレンドとは関係なしに、連綿と使われ続けている言葉があります。それが「持続可能な」という、ちょっと聞き慣れない感じの、おかしな形容動詞です。

実はこの言葉については、以前にもあさみ新聞で触れています。こんな記事です→「持続可能な社会とは?

このおかしな日本語はサステイナブル(sustainable)の訳語のようです。サステナブルは、サステナビリティという形で持続可能性という名詞として使われることもあります。

もともとサステナビリティとは「水産資源を、いかに減らさずに最大の漁獲高を得続けるかという水産資源における資源評価という分野の専門用語」だったそうです。もちょっと言えば、サステインというのは、そもそもはラテン語由来の言葉で、「下から支える」というような意味を持つそうです。つまり、社会を支えていけるかどうか、ということがサステナブルの持つ意味ということになると考えたらよいでしょう。

ただし、これを簡単な日本語で表そうとすると苦労することになります。日本にはそういった概念がもともと存在していなかったのが原因なのかも知れませんね。でも、他に良い訳語も考えつかないので「持続可能」ってことにしときます。そして、ここでは今のところ「持続可能=将来にわたってエネルギー的な破綻がない」というような理解をしておくことにしておきましょう。(間違ってたらあとで訂正したらいいだしね。)

そして、このように少しわかりにくい概念であるため「持続可能」という言葉はトレンドに乗りにくいようです。だけど、それゆえにだと思うのですが、建築の世界では「サステナブル建築」という言葉が、1980年代以降、環境共生的な建築を語る場合の重要なキーワードになっていて、流行りすたりのない言葉として使われ続けているように見えます。建築業界では常識なワケだ。たぶん…。

1995年に日本建築学会の環境委員会が、サステイナブル建築の手法を表としてまとめています【※1】。これは「スロー」や「ロハス」という言葉もない時代のものにもかかわらず、現在の視点からみても極めてよくまとまっています。これを見ると、問題の本質は十数年前からそれほど変化している訳ではないことがわかります。環境共生の建物を目指す場合、この表に掲げられた問題を中心に考え、不足を補うという考え方をしておけば問題ないといえそうです。

この表をどこかから手に入れたいんだけど…この本が手元にありません。前の職場にあったのかな…。高い本なので買うのも悔しいのだけど…。


というワケで本が見つからないので、今回はここでおしまい。
業界の話が出てきたので、次回は少し、一般の企業がどんな立場に置かれているかを考えてみましょう。環境に優しくしてるとコストがかかるので、あんまりエコ活動なんかやりたくないんだよなーとか言っていた企業は、今やどんなコトになっているかをチラっとだけ見ておきますよ。

お楽しみに♪


─────────────────────────
※1
手に入りやすいところでは「サステイナブル建築最前線―建築/都市グローカル・ドキュメント2000
」(ビオシティ,2000年)の巻末に記載されている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.09.05

1-3.エコに関するキーワードから見る社会の変化①

なぜ今、環境共生住宅なのか(3)

1970年代「省エネ=節約」時代
1980年代「エコ=優等生」時代
1990年代「スロー=力を抜く」時代
2000年代「ロハス=スタイル」時代

さてさて、前回は公害問題+オイルショックがエココンシャス世代を育てたという話でした。
今回は、エココンシャス世代が、1970年代以降、どんな時代を生きてきたのか(あるいは振り回されてきたのか?(笑))なんて話題です。


既にみてきたように、公害問題に端を発し、オイルショックが後押しする形で、社会は環境への配慮を意識する方向へと動き出しました。1970年代から現在までの、こうした姿勢に関するキーワードを並べてみると、世相の移り変わりがよく分かります。

順を追ってみてみましょう。1970年代に「省エネ」という言葉が使われ始めました。これは、基本的にエネルギーの節約を目標とした概念でした。一定程度以上の年代の方でなければ覚えていないかも知れませんが「省エネルック【※1】(爆)」なる言葉が流行したのをご記憶の方はいらっしゃいますか?
この「省エネ」ってキーワードは現在でも「省エネ法」などの形で残っているように、ある意味定着した言葉です。そして、その出自からわかるように、多分にお役所言葉的なイメージが濃い感じがしますね…。え?しませんか?編集長的にはお役所言葉なんだけどな…。

さて「省エネ」のあと、1980年代 【※2】 に台頭するのが「エコ【※3】」という言葉です。当初、この「エコ」という言葉が含んでいた「公害を出さない」「エネルギーを無駄に消費しない」という意味合いは、これらの言葉にまつわる「教条的な環境保護」のイメージを誘発していた感があります。このため「個人に対する社会的責任の押し付け」のようなニュアンスで捉えられ、気軽に受け入れにくい概念として扱われていた面があるような気がします。今でこそ「Eco♪」とか言っちゃって、あちこちの家電や自動車で見るようになりましたけどね。

まあ、そんな感じで、今では「エコマーク」「エコカー」など、一般に使われるようになり、こうしたイメージはだいぶ薄れてきましたが、現在でも「エコ=環境に優しい」として捉えられており、「正しい態度」「優等生的な態度」を示すもの【※4】としてのニュアンスは残っているように見えます。

このように「エコ」は、言われ始めた当初は、少し固いイメージを伴っていました。この固いイメージを払拭するように現れた言葉が、1990年代の「スロー」という言葉でした。

この「スロー」そもそもは、ファストフードに対峙する概念として1980年代後半にイタリアで提案された「スローフード」という言葉がもとになっているそうです。この「スローフード」って概念は、ファストフードによる世界的な味の均一化に危惧を抱いた人々が、地元の食材と食にまつわる文化の継承を大切にしようという取り組みを始めたことがきっかけになったそうです。

「あさみ新聞」でも「スローまちづくり宣言」とか「スローまちづくりのすすめ」なんて記事を書いていたりして、だいぶ感化されている感じがしますね(笑)
まあ、これはこれで間違ってたとは思ってないですけど…


日本国内でも、郷土色が大切にされたり、地方ブランドの産物を改めて見直す動きとかがありますよね。都会人が地方の産物を「お取り寄せ」するのも流行ってます。地域の食文化を見直し、素材を重視し、食事の際のコミュニケーションをも大切にする「急がない食のあり方(スローフード)」。こうした考えに基づいたライフスタイルのあり方が、「スローライフ」と呼ばれるようになったというワケ。環境に優しい暮らしといいつつも、肩の力を抜いて、自然にやさしい生活を楽しもうという「生活スタイル・生き方」として捉える感じが、当時20代30代だったエココンシャス世代の心を捉えたとみることができそう。

環境に配慮した生活様式を「ライフスタイル」と捉える考え方は、1990年代の終わりから、2000年頃にかけてアメリカで提唱された「ロハス【※5】」という概念にも見られます。

ロハスっていうのは、基本的にはマーケティング用語だったそうです。アメリカで、マーケティング調査をしたところ、環境や健康への意識が高い人々の存在が確認されたことから、これら一群の購買層を「ロハス」と名付けたことがもとになっているのだとか。

「ロハス」が日本に紹介されたのは2002年の日本経済新聞【※6】だそうです。その後マスメディアが注目したために国内でこの概念が広まったと言われています【※7】。多少スノッブ(←これも古いなあ)な概念であるとともに「商品化」「マーケティング」的雰囲気をもつ言葉でもあります。ロハスって言葉が持つ、なんとなく怪しげな感じ(マルチ商法とかITバブルとかなんかそんな感じ…分っかるかなあ…ワカンネーダローナー(←ふ、ふるい…))はそこから来てるのかもね。

さて、暴言を吐いたところで今回はおしまい。
次回は、環境共生をめぐるキーワードをもう少しみてみましょう。
サステイナブルって聞いたことありますか?「持続可能な」っていう変な日本語の話ですよー♪
お楽しみに♪


─────────────────────────
※1
数年前まで「クールビズ」と呼ばれていたワークスタイルと似たような意味ですが、大平首相・羽田首相が着用していた「半袖のスーツ」などが、あまりにもダサダサだったので、全く流行することはありませんでした。
※2
本当に80年代からなのかを、簡単な確認の仕方として検証してみました。例えば、amazonでの書籍検索で「エコ」をこの意味で用いている本を探し、発行年で並べ替えると、そういう本は1980年以前には見当たらないことが分かります。まあ、だいたい間違ってない。
※3
エコは、エコロジーを語源とするそうです。本来は「生態学」という意味を持つ「エコロジー」の略なんだけど、現在では「自然環境を保護し、人間の生活との共存を目指す」という考え方を示すものとして使われているようです。
※4
現在「社会的責任」などと呼ばれている概念に近いところがありますね。ちょっと説教くさい感じ。編集長だけですかね、そんなナナメな見方をしているのは…。
※5
Lifestyles Of Health And Sustainability:邦訳「健康と持続可能性を重視したライフスタイル」
※6
日本経済新聞が2002年9月にLOHASを紹介する記事を掲載。その後、月刊誌『ソトコト』が2004年4月号でロハス特集を組むなど、マスメディアが注目したことでロハスが広まっていった。とウィキペディアに書いてありました。
※7
日本で「ロハス」という言葉を商標登録して独占利用しようとした企業があり、一時期この言葉を使うことが権利上の問題となった時期があったため、商品の名前としては敬遠される向きもある。

| | コメント (0) | トラックバック (0)