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2009.01.14

やたけたとは

編集長。あんまりテレビを見ることがない人なのですが、家にHDの録画機がやってきてからというもの、タイトル検索で面白そうなものを見つけては勝手に録画させたりしてます。
いや、そもそもテレビ番組っていうのは、こちらが付き合わなければならない時間に比して、あまりにも得られる情報量が少ないので、基本的にはあんまり相手にしたくない存在です。あ、映画とかドラマとかはまた別ですが・・・でもCMでイライラしますけど・・。編集長ってばせっかちなのかもねえ。
録画番組のタイトル検索ワードは「まちなみ」「街道」「まち歩き」「限界集落」「中山間」「建築」「落語」「ハイビジョン特集」「NHK特集」「ETV特集」「天才画家」などなどになっております。編集長の好みの偏りがわかるというもの。
録画しても見るとは限らないし、しばらく経ってもみないものは削除してしまうので、見ているものはそれほど多くありません。

時間のある時に、気が向いた録画タイトルをCMとばしながら、いらない部分もとばしながら見ています。この年末年始で録画したもので、印象に残ったのはNHKの「新春蔵出し!まるごと立川談志」でした。多くの人々が談志さんを評しているなかで、桂米朝さんが「やたけた」という言葉を使っていました。「やたけたな人」というニュアンスだったと思います。

本日の話題はこの「やたけた」という言葉。

実は編集長が関西に来てすぐに知った言葉ですが、今だによくわからない言葉です。編集長周辺の建築業界では「やたけたな仕事・やたけたな納まり」などと使われ、その用例とシチュエーションから、編集長は勝手に「丁寧でない・いいかげんな・あんまり考えてない」といった意味であろうと思い、そのように使って来ました。
ところが今回の米朝さんの「やたけた」どうも、微妙にほめ言葉のようなんですよね。「丁寧でない・いいかげんな・あんまり考えてない」だけでは、米朝さんのニュアンスに当てはまらない。どうやら、少し編集長自身の認識を正す必要がありそうです。
さて、例によってネット上から用例・解説を探してみることから始めましょう。

関西ことば辞典によると、

「がさつ、乱暴(者)」といった意味。

大阪21世紀協会のブログでは、

「やたけた」とは、河内弁などでむやみに、やたらに、などを意味する言葉。

泉州弁辞書には、

ルーズ、いい加減な

などとあります。
また、Wikipediaの「淡路弁」の項には、

(名)無茶苦茶

とありました。淡路弁だけではなさそうな上、名詞かどうか微妙です。編集長的には形容動詞が近いのではないかと思うのですが・・・。
しかし、いずれにせよこれでは、どうもほめ言葉にならない感じがします・・・・
(いやしかし、これまで出ているものが「ほめ言葉」と言っていえないことはないのが関西文化だしなあ・・。非ネイティブによる解釈の限界なんだろうか・・・)

Wikipediaをさらに探してみると桂春団治の項(Wikipedia)に、こんな記述があります。

破天荒な生き方でも著名で、関西の俗に言う破滅型天才芸人のいまだ代表にして定型といえる存在である。借金・女遊び・酒乱が高じた振る舞いは、常に話題となった。その生き様は、演劇・歌謡曲など、様々な形で語り継がれている(ただし脚色も多い)。大阪弁で言う「やたけた」「ごりがん」「すかたん」といった性格を全て併せ持つ、その憎めない振る舞いは、当時も現在も、人々からはむしろ共感・同情の目で見られ、大阪の人情味に触れる際に欠かせない存在となっている。破天荒な生き方や金遣いの荒さはある意味で上方芸能の伝説となり、横山やすし、藤山寛美、やしきたかじんなどの初代春団治をリアルタイムで知らぬ後世の関西の芸能人にまで多大な影響を与える事になる。

これはちょっとホメている、っていうかかなり高い評価な気がします。(このあたりがかなり難しいのかも・・・)でも「やっさん」「たかじん」「寛美」のお三方と談志さんは、なんかちょっと別のカテゴリーにいるような気がします。どちらにしても、ここには「やたけた」の意味が書いてないので、もう一つわかりません。

さらに探して、ちょっと詳しい解説を見つけました。
Weblioによると、

むやみ、やたら、投げやり、やぶれかぶれ、自暴自棄、無謀、無思慮、やけくそ

とあり、「弥猛た」と表記すると解説してあります。さらに用例が掲載されていて

無考えのこと、またその人。
やたけたに大きい声を出す
親がやたけたでも子は育つ
こんなやたけた奴でもつとまるのんか
よう考えもせんとやたけたに動いたらこっちがやられるねんで

(これと同様の例が、全国大阪弁普及協会にもありました(ここでは形容動詞))。
ふーむ。「弥猛た」ですか。
「弥猛ている」とか「弥猛てない」とか使うってことですかね。

謎は深まります。

実は、編集長が見た番組の中では、米朝さんの話の時にテロップが出ていました。
そこには確か

やたけた=向こうっ気が強い、無茶苦茶

と出ていました。
向こうっ気が強い、と言われれば、なんとなく分かるようにも思いますが、テロップ以外では出て来ません。

破天荒で、向こうっ気が強い。ならば、談志さんっぽいのかも知れません。
米朝さんの談志評は、そういうことだったんでしょうかね。

ご存知の方は、この、編集長が長年抱えている謎の言葉の意味、ぜひお教え下さい。

【追記】

原稿を書いてから、いろいろ調べてたら、もう少し分かったので追記しときます。

goo辞書にやたけなる項を見つけました。

(形動ナリ) 盛んに勇み立つさま。はやりにはやるさま。 「心は—に燥(はや)れども/近世紀聞(延房)」

延房とは何かと調べたら、どうやら染崎延房(江戸から明治にかけて活躍した戯作者)のことのようです。よく知りません。「増殖難読漢字辞典」の「弥・彌」の項も同様の記述を見つけました。

goo辞書のベースは大辞林です。こうなると広辞苑も気になりますので、手元にある広辞苑(第4版)を見ると

いよいよ勇み立つさま

とありました。ふむふむ・・・。

「弥猛(やたけ)」にたどり着いて、ようやく勇ましい感じが出て来ました。
NHKによる「向こうっ気の強い」にも、ちょっと近いかも。

2009 01 14 07:00 午後 [01人声人語(雑談・独り言)] | 記事

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投書(コメント)

あ、なんか表示が乱れてる・・・。
blockquoteの使い方間違えたかも・・。
明日直します。今日は時間ないの・・・。

投書者: あさみ編集長 (2009/01/14 20:11:01)

「やたけた」、かなり深入りしてますね。しかしよく調べ上げました。かなりすっきりしました。火付け役の私としても本望です。
私がこの言葉を聞いたのは、明石の人間からと、淡路の人間からと徳島の人間からなので、きっとこれは東経135度沿いに分布しているんだとニラんだんですが。ちょっと松本清張っぽいでしょ。

投書者: M本 (2009/01/14 23:39:36)

「まるごと立川談志」ってあったんですね。観たかったな。
立川談志さんって、スゴイと言われているのはよくみるけれど、
語録とかエピソード読んだりするとほんとにスゴイんだけど、
落語見たことがないのでとても興味あります。

「やたけた」って私は全然耳にしないし、使わないですね。
浪花の言葉のような気がしたんですけど。なんとなく。

投書者: ちはる支局長 (2009/01/15 9:42:35)

表示ずれ、直しました。
</blockquote>のあとには改行が必要みたい。
ま、確認しているのはsafariだけなので、
皆さんの環境でどうなのかは、よくわかりませんが(<無責任)

投書者: あさみ編集長 (2009/01/15 11:21:54)

M本さま ちはる支局長

ご投書ありがとうございます。

明石・淡路・徳島・河内あたりに分布しているようですが、
明石のヒトである「ちはる支局長」が耳にしないし使わないとのこと。ここんところが謎です。
編集長はこの言葉、M本さんから教わりました。
で、明石近辺の言葉ではないかとなんとなく思っていたものです。
M本さんも幼少の頃から明石のヒトだし、
支局長と歳もそんなに違わないハズ。
(支局長と編集長は同い年だったはず。
 M本さんは2つか3つ上でしたよね)
分布の状況もちょっと謎。

あと、割と古典落語には出てくる言葉のようでもあります。
でも、編集長、かなりの数の落語を録音のみで聞いてますが、
(米朝さんのは70席ぐらい)
この言葉が出て来たことはありません。

まあ、なんか謎です。

投書者: あさみ編集長 (2009/01/15 11:33:35)

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