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2007.02.10

景観と色のこと

岡山市が策定を進めている市景観計画案の彩度、明度など具体的な色の数値基準が8日、市総合政策審議会都市・交通部会で示された。建物の壁面などの色彩規制は、県条例では抽象的な表現だが、同計画では数値基準を導入。基準に適合しないものは、行政指導を行う。数値基準には、色彩表現の尺度となる「マンセル表色系」を使用。
(中略)
同計画は、景観法に基づき作成。建築物を新築、改築する場合、形態、色彩など計画書類の届け出対象は、市内全域で「高さ13メートルまたは建築面積500平方メートル以上」とする予定で、県条例より規制が強化される。
(後略)
──岡山日日新聞「070209の記事魚拓)」より引用

このニュースによれば岡山市は景観法に基づく景観行政団体である、ということが分かります。そもそも政令指定都市と中核市は、景観法が施行された時に自動的に景観行政団体になっていますので、これは当然といえば当然なのですが。

■まえおき
さて、ここから何の話をしようかと悩んでおります。このまま景観行政団体は何かという話から、景観法の話、景観法とは?みたいな話に持っていって、そこから、条例と法律の違いの話をして、兵庫県の景観条例(景観の形成等に関する条例)の本質にもっていったら、それはそれで長くなるなあ。今日はやめとこう。

では、全く路線を変えて、編集長がこの文章を書きながら「政令指定都市とか中核市って何だろう」と思ったので、これを調べてネタにする。っていうのも、これもまた時間がかかりそうです。

では、新聞記事をもとに「マンセルって何?」っていう話は私がいつも各地でお話ししていることなので、ネタはいくらでもありますし、皆さんに披露したい自作資料もあることはあるのですが、これもそのままアップするのには問題があるし・・・。

さらに、景観条例でマンセル色票系を基準に採用している条例がいったいどれだけあるのか?ということを調べると、兵庫県の景観条例の特色と言われている「色彩に関する基準」が、引用した岡山市などの例と比較してどこまで「特色」といえるのか?ということが分かりそうです。

また、世にたくさんある景観条例のうち、景観法に基づくものとそうでないものがどれだけあるのか?みたいな話も面白そうですね。でも、これはたぶん1ヶ月ぐらいの調査が必要になってしまう。

さらに、景観法が制定される直前に約500以上あったと言われる全国各地の景観条例の制定年を並べてみると、面白いことが分かりそうな気もするし、兵庫県はかなり早い段階で条例を制定しているといわれていることが、どれくらすごいことなのかが分かりそうな気もします。

というように、思いつくことはいろいろあるし、上記の問題をきちんと整理すれば、卒論3本分ぐらいにはなりそうなので、指導して欲しい学生は私のところに来たまえ(笑 (<何いってんだか)

で、昨日、某所で知った兵庫県の景観条例に関するネタをご紹介して、お茶を濁そうと思います。これなら調べものがほとんどいらないので、書くのが早いんですよね。実は・・・(ようやく本論かよ)

さて、本論は今日の記事の最後の数段落に書いてあるので、景観条例について勉強したいワケじゃないもんね〜というヒトは最後の方へ飛んでもらって構いません(笑。でも最後まで景観条例の話だけどね(笑

■兵庫県の景観条例
まずはじめに、兵庫県の景観条例は(何度かご紹介していますが)正式名称を「景観の形成等に関する条例」といって、昭和60年(1985年)に制定されています。その後しばらくたって、平成16年(2004年)に景観法が制定されていますが、兵庫県は条例の枠組みを基本的には変えず、景観法に基づかない自主条例として運用しています。とはいえ、兵庫県がこの景観条例を自主条例のままにしているのは、別に兵庫県がサボっているワケではありません。

■景観法と条例の関係
兵庫県では早期に景観条例が策定されているため、それなりに条例の認知度も高く、すでに景観形成地区として指定されている歴史的まちなみをもつ地区では、相当な実績を上げているという自負があります(たぶん)。確かに、条例とは言っても根拠法があるワケでもなく、極論すれば紳士協定のような条例を使って、相応の実績を上げているというのは自慢してもよいでしょう。

■兵庫県では法的拘束力がなくても何とかなる
兵庫県としては今のところ、景観法による景観条例に移行して条例に法的拘束力を持たせることで、既にある景観形成地区での景観基準運用をぎすぎすしたものに変えていくよりは、現在うまくいっているゆるやかなルールによる運用を図る方が、県の実情に合っていると考えたものと思われます。
(このあたりは兵庫県民の県民性というのもあるなあと思います。編集長はつねづね、兵庫県の人って、人が良くて、ぶっきらぼうだけど優しくて、シャイでおとなしいけど前向きで、ルールがあればそれは守るべきだというまじめさがある一方、実際的というか理想と現実のはざまにビジョンを見いだすことのできるしなやかさを持ち合わせた人が多いなあと、思ってます。(ホメスギか?))

と、ここまでは景観条例の背景ね(本論はまだだったのか)

さて、ここでは色の話にしていきましょう。

■なぜ「景観で色」なのか
良好な景観づくりのために必要なのは色を決めること「だけ」ではないだろうという議論はこの際、あえて脇においておきます。(そこに突っ込むと兵庫県の話になるまでにあと20段落ぐらい必要になりそうなのよ)きれいなまちだなあ、とか雰囲気のよいまちだなあ、と人に思わせるのは、確かに建物の色だけではありません。しかし、色も重要なファクターであることもまた事実でしょう。

ところで、(既にどこかで書いたかもしれませんが)色をコントロールしようという手法の背景には別な動機もあります。

例えば瓦屋根ひとつをとってみましょう。黒い瓦にしようが赤い瓦にしようが、値段は変わりませんよね?グレーのサイディングでもライトブラウンのサイディングでも、建設工事費が変わることはないといってよいでしょう。つまり、色の範囲に基準を設けたところで、大して建築主の負担にはならないのです。これにより、住民負担を最小限にすることも可能ということなのです。

もちろん、伝統的歴史的まちなみの残る街道筋などでは「トタン葺きよりも瓦葺きの方が、まちなみ景観にとって良い」という場合が多いかも知れません。そして、トタン葺きにするお金しか持っていない人に、瓦葺きにしたら良くなるんじゃないですか?と提案しても、それはかなりな負担になります。
(じゃあ、その差額のお金を、行政が手伝ってあげたらいいんじゃないかという議論も成り立ちます。実は、十分とは言えないかも知れませんが、兵庫県ではそのためのお金と助成のルールを用意しています。その話はまたいずれ)

そこで、色彩基準の登場となるワケです。お金がなくて無理だったらせめて色だけでも考えてまちなみ形成につなげていきましょうよ。という論法が成り立つというワケです。これが、おそらく兵庫県が色にこだわるもう一つの理由ではないかと編集長は考えています。で、実際これがワリと効力を発揮しているような気がします。(実例をあげて説明できないのがもどかしいですが)

と、ここまでが、色彩基準についての実態(いよいよ本論みたい)

■兵庫県条例の限界(というか課題)
実は兵庫県の景観条例では、景観形成地区における景観基準に色彩のルールを「マンセル色票系」による数値指定で決めています。特に建物の屋根と壁について色彩基準をマンセルの数値により範囲指定するという方法をとっています。(なので、各地の県民局・自治体にはマンセルブックが備えてある)

しかし、前から思ってはいたことなのですが、この基準の作り方だと、色の指定が屋根と壁で別々ということになる、と改めて昨日気がつきました。

どういうことかと言うと、屋根はここからここまで、壁はここからここまでの色ならいいですよ。という提案の仕方はできても、この屋根の色の時はこの壁の色がマッチしていますねという提案は、この枠組みの中ではやりにくい、ということです。実際にそうやって色彩基準が指定されている地区も兵庫県内にはありません。

これは少し考え直してもいいのではないか、と思います。

■札幌の事例
そういう意味では札幌の例が参考になると思います。

札幌の景観色70色

この景観色70色では、各色に、札幌らしい名前がついていて、なかなか親しみやすい感じになっています。例えばマンセル色票系で「7.5GY 5.7/4.0」という無味乾燥な表記がなされる緑色も「羊ヶ丘(ひつじがおか)」と名前がついていたら、なかなかステキだと思いませんか?

■日本の伝統色
そもそも色には和名がついているものがたくさんあります、例えば

日本の伝統色
日本の伝統色名

などが参考になると思います。

■組み合わせ・アクセントカラー
それはさておき、札幌の話。

札幌の景観色の解説書3(pdfファイル)

に見られるように、札幌市では、色の組み合わせなんかも例示していて、アクセントカラーの考え方なども分かるようになっています。デザイナーでもある編集長としては、なんだか可能性が限定されているような気もしますが、これだけたくさんあれば、選ぶのも楽しいかもしれませんね。

なんだかとりとめがなくなりました。ごめんなさい。
そういえばアフェリエイト強化月間(週間だったっけ?)だったことを忘れてました。
ということで読んだことない3冊をご紹介。

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33特集「景観まちづくり」」カテゴリの記事

コメント

コメントのしどころはたくさんあるのですが、またそのうち書いてTBします。

一点だけ。私はグラフィック社の「和の色手帖」を愛用しております。
RGB・CMYK・Web用の数値が載っているのでとても便利。
ここに載っている色だけ使っていればたいていまとまるし
ハズレがないので重宝しています。

投稿: ちはる支局長 | 2007.02.10 21:08

おお。ちはる支局長。
「和の色手帖」私も見てみたいだす。
でも、RGB・CMYK・Web用の数値だけですか?
マンセル数値はないのかな?

投稿: あさみ編集長 | 2007.02.10 21:21

  兵庫県職員のことは、当たってることも多いけれど、やっぱりホメすぎかも。県職員というのは、兵庫県に限らず現場の苦労が少ないので、お坊ちゃん育ちなところがあります。確かに現場の苦労が多くて、ギスギスして皮肉屋で屈折した某市の職員に比べると、つきあい易いし、僕も好きです。でも編集長は、今幸せなおつきあいが出来ているようですね。それは、きっと編集長のお人柄によるところも多いと推察します。
  ところで、色のことは・・・・・。色の道は難しい。私には苦手なコダワリの世界になりますなあ。でも屋根に選んだ色に合う壁の色はこんなのがありますよ的なガイドがあればありがたいですね。

投稿: のんきな父さん | 2007.02.11 13:35

ご無沙汰しております。
色ですが
自然科学の、
特に土壌学のひとたちは土壌用の色手帳みたいな
ものを片手にして7.5GYのえっと。とかいって
この土は○○褐色土です、
とかいってるのですが、

その手帳って、
土だから、茶色ー黒に特化していて
だからとてもクールです。

色を分類するのってかんがえてみればすごいことですね

投稿: だん | 2007.02.12 02:03

>のんきな父さんさま
いつもコメントありがとうございます。編集長がホメスギているのは、県職ではなく兵庫県民のつもりでしたが・・・。ま、県の職員の皆さんも似たような傾向があることは確かです(でもこれでは確かにホメスギ)。県庁所在地から離れれば離れるほど、なかなかステキな県民性が見えて、楽しいですよ。

屋根に合う壁の色。確かに今後の課題のような気がします。まじめに色の勉強をしなくてはなりません。

投稿: あさみ編集長 | 2007.02.14 10:38

>だんさま
ふむ。クールだ。
意外とマンセルってあちこちで使われているのね。
その手帳みてみたい。

使っているマンセルブックが色褪せてくると、エラいことになる、ということに最近気がつきました。なかなか色の道は難しいです。

ところで、神戸を離れる前にお会いできればと思っておりましたが、かないませんでした。こちらにお見えの際はぜひお声をかけて下さいまし。


なんだか、春は別れの季節だなあ。
頑張って下さいね。
(私信でした。失礼)

投稿: あさみ編集長 | 2007.02.14 10:42

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受信: 2007.02.13 18:41

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