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2007.02.04

赤いイタリア文化会館(2)

来日中のイタリアのダレーマ副首相兼外相が2日、日本記者クラブで会見し、東京・千鳥ヶ淵近くに立つ「イタリア文化会館」の赤い外壁の塗り替えを地元住民が求めていることについて、設計を指導したイタリア人建築家ガエ・アウレンティさんの著作権を理由に、「政府として命令できない」としながら、「日本の方にとって深い意味を持つ地域に建てられた建築物で、住民の抗議に共感も感じる。友好的解決策を導きたい」とも述べた。
──YOMIURI ONLINE「070202の記事魚拓)」より引用

イタリアの副首相のこの発言は、渡辺恒雄氏の質問への回答として掲載されています。編集長としては「ナベツネさん、なんであんたやねん」とツッコミを入れたいところですが、それはおいておきましょう。

実は、本紙では以前、この問題を取り上げ(赤いイタリア文化会館)ており、編集長はそこで「どうも純粋に景観問題として議論しにくい問題になっているような気がする」と述べました。そして、近隣住民の皆さんの「生活権問題(※)」と「景観問題」は分けて考えないとおかしなことになるのではないかと警告(誰に?)しています。

※生活権問題:
 ここでは、部屋の中が赤くなって生活・健康に支障が出ているという問題のこと

しかし、編集長の意に反して(というか危惧した通り)、どうやら近隣の「生活権」の問題はどこかへ消えてしまって、純粋な「景観問題」としてのみ扱われているような感じがします。被害を受けている方がいらっしゃるとの報道(例えば四国新聞社の記事魚拓))だったはずですが、そういった方々の健康は大丈夫なのでしょうか?編集長はそちらの方が気になります。

今日の引用記事の地の文には

イタリア文化会館を巡っては、地元住民が「千鳥ヶ淵の緑と調和していない」などと反発。昨年3月には約2700人分の署名を集めて環境省や東京都に提出し、イタリア政府に、外壁の塗り替えを働きかけるよう要望した。石原慎太郎知事は理解を示し、都はイタリア大使館に再三、塗り替えを要請している。
──YOMIURI ONLINE「冒頭と同じ記事魚拓)」より引用

とだけ述べられていて、健康被害を受けた方の話が出て来ません。

いったいどうなっているのかなあ?

渡辺氏は、近くに住んでいるが被害は受けていない、でも神聖な地域に赤い外壁はおかしいし、被害を受けている人もいる、というようなことを述べてらっしゃるようです。ということなので、編集長から渡辺さんに「お父さんのための、ワンポイントアドバイス〜♪」しちゃいましょう。

「もし、どうしてもあの赤を止めさせたいなら、
  景観論議よりも生活権論議の方が絶対勝負が早いですよ、渡辺さん。」

  (byあさみ編集長)

やっぱりこの問題、「景観問題」じゃないような気がします。

でも、この問題をもとに景観議論をしている人たちはたくさんいますし、それはそれで前向きかつ有用なものを含んでいます。以下に参考になりそうなサイトを集めました。この問題に関するアーカイブとしてお役立て下さい。

しかし、色々な意見があるものですね。その中でも、ある程度読み応えのありそうなものを集めました。Google検索「イタリア文化会館 赤」のみをベースにしています。なので、もし見落としているものがあったらご報告願います。できるだけ早く追記いたします。

※参考サイト(結構労作かも)

●051010
 越澤先生のブログよりイタリア文化会館のエントリー
  読売新聞の記事(051009)を転載している
  そもそも読売さんだったのかな・・・
●051121
 ケンプラッツより「シンプレクスが取得断念
  近隣の反対を理由に、テナントとなる予定だった会社が撤退した旨の報道
●060314
 四国新聞社の記事より「赤色の壁は景観壊す/伊文化会館に住民反発魚拓)」
  ここに来てなぜかいきなり問題再燃。この再燃のきっかけが知りたい。
●060317
 東京都のサイトより石原知事記者会見録(平成18年3月17日)
  「明らかにミスマッチ。塗替えさせたらよい。デザイナーってのは独善的」
  なんかどうも渡辺恒雄氏が積極的に動いていた様子。
  質問している記者も読売の記者だし・・・
  そういえば、今日の引用記事も渡辺恒雄ネタだ・・・
●060320
 ブログ「ligni」より「イタリア文化会館の外壁塗装問題
  騒ぎ立てる日本の文化土壌こそ問題である
●060320
 ブログ「千の事の葉」より「イタリア文化会館:景観論争に想う
  この配色で下品にならずに使いこなしていることに好感さえ抱いた
●060322
 JDNデザインのニュースより「 D-EXP 060322(読売新聞の記事)」
  3月14日に住民代表が環境相に陳情書を提出した旨の報道
●060328
 藤崎圭一郎氏のブログより「桜とイタリア文化会館
  (ちょっと見たことないアングルの写真あり)
●060330
 ブログ「千の事の葉」より「イタリア文化会館:春爛漫
  建築家には桜が満開の季節がイメージされていたのではないか
●060510
 フォーサイトの「はじめての色彩レッスン」より「「JAPAN」の赤はどんな色?
  皆が色彩について配慮する世の中になるといい
●060513
 公共の色彩を考える会よりカラーウォッチング(pdf)
  カラーウォッチング結果(晴雨天の見え方比較など)
●0605頃
 MIZUNO'S SCAPEより「建築の勇気
  隣の「デザインに志のないビル」の方がたちが悪い
●060629
  公共の色彩を考える会サイトより「イタリア文化会館外壁色に対する改善意見書(pdf)」
  見解と改善提案として5項目をあげている(健康被害の話は?)
●0607頃
 公共の色彩を考える会の「イタリア文化会館 外壁色の問題
  公共の色彩を考える会の意見表明/「騒色の範疇」と批判
●060914
 YOMIURI ONLINEより都、ビルの奇抜な色排除…景観条例改正へ
  都の景観条例の改正を、イタリア文化会館と関連させて報道
●060914
 ブログ「障害報告@webry」より「ここは酷い漆色ですね
  JR西鹿児島駅を例に、皇居周辺じゃなければいいのかと批判
●061025
 JDN /デザインのニュース D-EXP 061025
  都が固定資産税を課税決定したニュース(景観とは関係ない?)
●061031
 Sankei WEBより「 景観論争“グレー”で決着」(魚拓)
  東京都が鹿島建設からグレーへの塗り替え予定であるとの報告を受けたという報道
●061031
 DMD JAPANのブログより「いいわけ?
  確かに景観を損ねていて周囲と調和していない、という意見
●061104
 アクトデザイン凛太郎のブログより「イタリア文化会館ビル
  裁判を起こされる程ではない/この通り沿いに日本的な建物などない
●0701号
 オリーヴ(三陸書房)より小島将志氏の「明日の景観6」
  都市計画家によるツタを這わせる提案(イメージ写真あり・唯一提案性があって面白い)
●060317
 ブログ「Daily Note」より「海外の建築家は日本の風景を創れない
  建替え前の会館は周辺によく調和していた/制約ある欧でのストレスを日本で発散しているのでは
●060203
 YOMIURI ONLINEより「文化会館の外壁塗り替え問題、伊外相「友好的に解決」魚拓
  渡辺恒雄氏の質問にイタリア副首相が答えたという報道
(以降順次追記)
●060205
JANJANより「地域・赤い色は景観乱す? 行ってみた伊文化会館
渡辺氏と伊外相のやりとりを別の視点から描いています。
読売新聞とは問題の捉え方・描き方が違う感じ。

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コメント

欧米に比べ日本の制約は甘いというのは確かですが。
グレーに塗り替え?中途半端に制約するくらいなら、いっそテーマパークのような町並みのほうがいいかも(^^ゞ
反対意見を聞いていると、議論のすり替えが多いです。(景観よりも感情論が先?)
これは、うちの団地再生もしかり。。

投稿: きょん | 2007.02.04 13:01

きょんさん。コメントありがとうございます。

編集長としては、現場を見ていないし土地勘もないので、断言はしにくいところですが、もし生活権問題抜きで、純粋に景観議論ができると仮定するならば、この赤いイタリア文化会館は「アリ」だとおもいます。

海外のことは実はよく知りませんが「このまちはこうあるべきなんだ」というコモンセンスのないところに、声高な人が「こうあるべきだ」を持ち込んだら、それは混乱するのが当然です。(それは建物をデザインする側も、それを批判する側も同様に、という意味ですが)

で、人間、混乱した時が成長のチャンスなので、ぜひともとことんまで成長していただきたいものです。

だんだん、何をいってんのかワカンナくなってきた。
それではまた。

投稿: あさみ編集長 | 2007.02.04 19:08

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