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2006.07.24

日本橋景観のその後

高速道の地下案で一致 東京・日本橋の景観問題で
 東京・日本橋の景観見直しについて地元の住民や自治体と有識者らが協議する「日本橋みちと景観を考える懇談会」(座長・中村英夫武蔵工業大学長)が21日、開かれ、日本橋の上を走る首都高速道路を川岸の地下に移設するとの案で一致した。
(中略)
 会合ではこのほか、4000億−5000億円とされる総事業費の削減策も議論した。
──「CHUNICHI WEB 060721の記事」より引用

日本橋の景観問題ですが、小泉さんが盛り上がったことによって、なんか、そういうことになりつつあるようです。編集長としては「日本橋周辺の景観は悪い」という人の意見を否定する気は全くありませんが、この動き、どうも胡散臭いなあ、という感じが否めません。

首長が「悪い」と言って(あるいは首長に「悪い」と言わせて、かも)「さあ、工事だ、公共事業だ、内需拡大だ」と叫ぶという、お手盛り茶番の匂い(あくまで匂いですよ。ま、「お手盛り茶番」とまで言っておいて「匂い」とごまかすのもどうかと思いますが、、)が感じられて仕方がないのです。

また、日本橋の景観だけを取り上げて、これを改善すれば日本の景観が良くなるというような、根本的解決に至る道筋を無視した論理的短絡性も気になります。なんかすっきりしないんだな。

「何もしないよりも何かした方がいいんじゃないか?」という意見には一応の正しさを認めますが、その「何か」が本当に、その目的に対して有用な手段なのか、投資する価値のあることなのか、もう少し議論を尽くしてもいいのではないかと直感します。

この件に関しては編集長のような浅学の輩が語るよりも、五十嵐太郎氏の論考の方が説得力がありますので、下記をどうぞ。

モノが増えるのではなく、視界からモノが消えるために、お金がかかっていないような印象を与えるが、立派な箱もの事業である。首都高の埋設工事は、愛知万博における施設費の総額にも匹敵する規模だ。ゆえに、繰り返しになるが、日本橋の上の首都高がなくなれば、景観の美しさがとり戻せるというイメージで語るのではなく、首都高そのもののデザインがどうなのかを真剣に考えることから始めるべきだ。首都高だから機械的に駄目ではなく、高架の道路にも、いいデザインのものと悪いデザインのものがある。こうした観察さえ、われわれには欠けているではないか。
──ほっとほくりく「本気で美しい景観をつくれますか(五十嵐太郎)」より引用

編集長は5000億円という金額に結構動揺しております。まさか「5000億くれたら私が日本の景観を改善したげよう」などとは思いませんが、でも「5000億かけて小中学校でまちづくり、まちなみづくりについての授業を決行したら、それは将来のためになるんじゃないかなあ」ぐらいなことは考えます。

景観づくりとは、風景を詠むこころを育てるところからしか、はじまらないと、おもいます。
──hiraさんのポリタンコのエントリー「岩淵拓郎「言葉のある風景〜和歌の浦」」より引用

とおっしゃるのはhiraさんです。
景観づくり、良い景観とは何か、悪い景観とは何か、もう少し編集長も考えたいと思っています。

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