« 過ごしやすい建物とは〜建物の熱環境(2)〜 | トップページ | 暖房の方が難しいです〜建物の熱環境(4)〜 »

2005.01.01

外断熱は北国向きか?〜建物の熱環境(3)〜

輻射と地下の蓄熱の温度差の利用はブレゲンスのズントーの美術館なんかもそうですね。僕も今住宅で暖房は輻射でやってますが、外断熱にしてしまうとスタートアップに時間がかかり過ぎるので、一年での暖房期間が長い北国以外ではそこまでする必要があるのかな?とまずは思います。

うん、その話はもうちょっと考えておきたい問題で、熱容量の小さい木造住宅なんかで、いいかげんに外断熱にしちゃうとそういう問題が起きてしまう。特に気密性が低かったりすると、外気の影響を受けて温度が上下しやすくなるので、余計なものまで暖めたり冷やしたりしなくちゃいけなくなる(断熱材の内側にあるもの全ての温度をコントロールしなくてはならなくなる)。だから高断熱高気密と言われるのだけれど、気密性の高さはホルムアルデヒドの純粋培養やらの危険をはらんでいるわけで、手放しで採用できる方法じゃないのも確か。

ここで問題にしたいのは、もっと熱容量の大きいものを外断熱する方法で、例えば年中18℃で一定の温度の(その熱源を地下に求めてもいい)熱容量の高い壁が部屋の中にデーンと座っていたら、それは夏も冬も気持ちのいい熱源になってくれるはず。この壁の影響を内側にだけ向けるために外側に断熱材を使うという発想に立てば、少し見え方が違って来ない?

外断熱がスタートアップに時間がかかる方法だというのは、あくまで空気を暖めて、その空気で躯体を暖めようという発想に立っているからで、熱容量の大きいものの温度を一定に保つために外断熱をやっていると思えば、どんな地域でやっても、そんなに悪い方法じゃないんじゃないかな?違うかな?(ホントのところよく分からない部分もあるのですよ。)

|

« 過ごしやすい建物とは〜建物の熱環境(2)〜 | トップページ | 暖房の方が難しいです〜建物の熱環境(4)〜 »

32特集記事「建物の熱環境」」カテゴリの記事

コメント

>もっと熱容量の大きいものを外断熱する方法で、

その熱容量が大きいものとは何か、ということが問題ではないでしょうか。
それはまさにRCで、
外断熱はRCと組み合わせてこそ、だと思うし、
逆に言うと、外断熱を使わないのなら、高いコストをかけてRCをする必要はないと思います。

投稿: kuni | 2005.01.01 15:23

おっしゃる通りです。で、RCという話にいつもなるんですよね。

でも、私がこのエントリーを年末に書いたときに思っていたことは、例えば年末のエントリー「標語」のコメントで出てきた今井町の建物のような、土壁厚さ30cmなどのことを考えながら書いていました(もちろんRCのことを考えなかったわけではありませんが、、)他にも石なんてのもありますし、、。

なので、やはり私にとって、ここで重要なことは、RCがどうかではなく「熱容量が大きいもの」となってしまうワケですね。kuniさんんのお話の主旨には全く異論はございません。あしからず。

投稿: あさみ | 2005.01.03 02:45

これに関しては、日本はただ、熱容量がでかい構造体に外から断熱材貼って『外断熱』と称しているだけで割と単純ですが、ETHからでている、ギゴンアンドゴヤーのfenster:fasadeっていう本を読むと、もっと断熱に関する考え方が進んでいることが分かります(ただし英語訳なし、ドイツ語)。考え方としては、サンドイッチ状にRC-断熱層-PCパネルなんて具合に重層化した壁の構成方法をとります。ヒートブリッジに対する考え方も徹底的です。ご一読あれ。

RCをあっためる>スタートアップ云々は、結局RCをthermalmassとして扱う以上、その熱容量が大きいので暖めるまで熱量を必要とする。という考え方から、空気を使ってあっためようが温水だろうが、そこまで熱量が必要=熱容量の小さなものに比べるとスタートアップに時間がかかるという論理になります。この種の時間的遅延をどうやって熱環境の構成に役立てていくかと議論がセットにならないとあまり意味をなさないと思います。ただし、別に構造体の様なものを暖める必要はなくて、成形セメント板の中空部分に風洞にするような考え方とか、いろいろありますよね。僕は構造体を熱にも有効なものにするような考え方は結構リジットな仕組みになってしまいそうなので、こちらの方に可能性を感じます。

RC>高いコスト>外断熱にしないと意味ないという考えは疑問。RCは外装材としては、結構すぐれた耐久性をもっていますし、一定のスケールではもっとも安価な構造体かつ内・外装材になります。外断熱で15年間メンテフリーなんかやろうとすると、かなりよい仕様になってしまう様にも思うので、例えばスケルトンがっちし作って中はどうにでも使える、保守できる、低廉な施工能力でも作れる、そこそこの気密性・耐久性が得られる、、というような作り方の時はRCないしPCもありかなと思います(レンガでもCBでもいいですけど)。

このあたりは民族性みたいなモンもあって、石造りの建物にくらしていた人たちと僕らのように木造のスカスカの建物を出自とする人間の根っこのところでの生活観の差もあるかな?
スタートアップ云々はこの顕著な例で、日本人は採暖に近いものを好む傾向がある様に思います。つまり、on-offがはっきりした寒暖との関わり方です。寒ければ暖める、あつければ冷やすという具合。これに比べると、ヨーロッパは築100年のアパルトマンですらセントラルになっている場合もあって、建物は極力外気から切り離されたシェルタの様なあり方で使われてきました。外断熱というのは後者に属する考えで、我々にはあまり馴染みがない考え方であること、また、高温多湿の環境下での快適性はやや積み残された課題という印象を持ちます。

投稿: 202 | 2005.01.06 13:56

ど、どいつごですか。ちょっと苦手だなあ。
しかし、そのサンドイッチ的発想も、かなり高くつきそうな仕様ではございませんか?(笑

仕様の面や機会の仕組みをあんまり複雑にしないで、もう少し簡単になんとかならないかなあと考えているのですよ。結論は出てませんが、、、、。

スタートアップ問題については、スタートアップしないという考え方がとれないものかと考えています。ランニングコストを極力かけずに、年間を通じて(RCならRCの)躯体の温度を一定に保つ(夏は18℃、冬は16℃とか、多少ぶれてももちろんいいんだけどね)ような方法をとれないものかと考えているのですが、無理ですかねえ。常に動いていれば、スタートしなくても良いという感じで。毎日使う住宅であれば、なんとか成立しそうな気がします。

で、足りない分についてはヨシズをかけたり、風通しをよくしたり、北側日陰での放射冷却をうまく利用したりなどの夏の工夫や、暖炉でも灯油FFでもたき火でもいいから採暖する他、昼間の日射をうまく屋内に取り込んで、できればそれも蓄熱してしまうなどの方法でON-OFFをしたらばいいのではないかと思うんですけどね。

いや、意識的にヒートポンプを排除して考えているという偏りは自覚してますけど、、。ヒートポンプを導入しても同じことだとは思います。

ところで、202氏のいうような、中空層内に空気を通すというのは、もう一つ効率がよろしくないような気がしますが、どうでしょう?熱媒体はもう少し熱容量の大きい粘性の高いもので、流速をコントロールできるものがベターかと、、、。空気と個体の熱交換というのは効率の面でよろしくないと認識しているのですが、そのあたりはどうですか?

実は、このやりとりをきっかけに少しまじめに高断熱高気密について勉強中です。もしかしたら前言を翻す暴挙にでるかも知れませんが、なかなか奥の深い分野であることだけは確かなようです。

投稿: あさみ | 2005.01.07 12:17

あ、書き忘れ。
202氏の最後の民族性云々の話は、ちょっと面白いかも知れないと思います。もう少し考えてみないと分かりませんが、その議論から計画に関わるなんらかの定見が引き出せれば、面白い話になりそうです。

投稿: あさみ | 2005.01.07 12:40

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/26464/2417740

この記事へのトラックバック一覧です: 外断熱は北国向きか?〜建物の熱環境(3)〜:

« 過ごしやすい建物とは〜建物の熱環境(2)〜 | トップページ | 暖房の方が難しいです〜建物の熱環境(4)〜 »