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2004.11.09

被災地の元気を取り戻したい

 年間百万人が訪れる観光のまち、兵庫県出石郡出石町で台風23号による影響が深刻化している。名物の皿そば店や土産店が集中する城下町地区の被害は軽微だったが、自粛ムードや風評から観光客は例年の四分の一に激減。町内の被災者への配慮から活動を控えてきた観光関係者も「感染者の外国人医師が来町した昨年のSARS騒動以上」と危機感を募らせ、被災者応援を兼ねた復興支援イベントなど、まち全体の元気回復に向けて動き始めた。(浦田晃之介)
神戸新聞WEB NEWS 2004/11/09

 台風23号の被害で北但馬地方が大変なことになっていることは以前レポートしました。今回は、また別な意味で大変なことになっているという状況が神戸新聞に。  実は出石の観光の中心である古い街並が残る城下町の地区は、堤防が決壊した地区と違って、大きな被害はありませんでした。しかし、出石がたいへんなことになっているという報道から、観光地も水没したという誤解が広まっているのだそうです。役場にも問い合わせがたくさん来ているようです。現在観光客が例年の1割とか。

 大きな被害はなかったのですから、観光に行っても問題はないのですが、でも、普通に考えたらなかなかそうも行きませんよね。「災害に会って苦労している人々が多い地域に物見遊山で出かけるのは気が引ける」というのが通常の感覚だろうと思います。難しい問題ですね。以下、思うところを書きます。

 記事でもそのあたりの問題に触れています。出石町では、2人が死亡・約700棟が浸水被害を受けています。このような状況下、積極的な観光PRには町内でも反対の意見も多いようです。復興イベントを行おうという提案の一方、被災者がどう思うかという気遣いの声も上がっているとか。

 私がまちづくり活動を手伝っている但馬のある地区でも、似たような議論がまきおこりました。この地区では、地区内の住民が作った作品をまちなかに展示する「ミニ文化祭」を毎年行っています。これを今年も行うかどうかという会議に同席しました。「被災した人たちを少しでも元気づけたい。」「まちのイベントを絶やしてはいけない」などの意見も出ましたが、やはり「災害に会わなかったからといって、お楽しみのイベントをしたら、被災した皆さんはどう思うか?」という意見も出ていました。
 私は「それなら、災害チャリティー文化祭」にしてはどうかという提案をしました。長時間の議論の結果、結局「文化祭当日も被災地に救援に行かねばならない人も多い」ということで、延期とし、クリスマスの時期にでも復活させようということになりました。

 ときどきこういう議論になりますね。悩ましいです。皆それぞれの優しい気持ちから、いろいろなことを考え、そしてついつい遠慮してしまう。誰も悪くないのに、ついつい後ろ向きになってしまう。被災地の人たちも、いつまでもうつむいていてはいられないワケで、このような人たちの感情も含め、被災地の元気をどうやって盛り上げたらいいのか、どのように元気づけることができるのか。大きな課題だと思います。
 被災地へ出かけてみて(あるいは阪神大震災の被災者の体験から)思うのですが、こういう時は、うじうじ悩むよりも、まずは行動。というのが私は一番よいと思っています。被災地復旧を手伝うのもよし、募金活動・チャリティーイベントを行うのもよし、被災地の現状を無視した心ない行動さえとらなければ、気遣う気持ちは伝わるものであると。

 さて、冒頭の記事

 出石の方はどうしたかというと、記事によれば、「町内被災者の支援イベントとして新そば発表会「がんばっとるで出石!」を十三、十四日午前十時—午後三時まで、同町内町の観光センター前広場で開くことを決めた。皿そばを三百円で販売し、売上金はすべて被災者に贈る。」と決めたそうです。それもまた一つの行動です。なにごとも前向きがいいと思います。

 実は今回の台風23号で、城崎温泉も被災しています。しかし、観光地エリアや外湯施設は元気に営業しています。しかし、私がお伺いした時には、町の役人さんは「お客はガタ減りだよ」とおっしゃっていました。これからカニのシーズン、実は城崎温泉の稼ぎ時です。願わくば観光客の皆さんに戻ってきていただきたい。
 今や、被災地でお金を使うことも災害復興の協力になるはずです。ぜひ足をお運び下さいますよう。その際には水害で大変だった地元の皆さんへの気遣いの気持ちをお忘れなく。

 がんばれ但馬。

 被災地の皆さんの生活の復旧・心の平安と、まちの早期復興を心からお祈り申し上げます。

2004 11 09 07:00 午後 [14地方版 (地域・まちづくり)] | 記事

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