「エコミュージアムへの旅」(大原一興)
■意思を含む倫理的なもの
さらに彼女は、エコロジーの考え方の延長線上に「豊かな生活よりも正しい生活」を主唱するなど、生命、健康、安全など「生活の価値」という「意思」を含む倫理的なものとして、一貫してこの科学の領域の重要性を訴えていったのである。(Ellen H. Richards,"The Art of Right Living"(1904))
大原一興,「エコミュージアムへの旅」,鹿島出版会,1999
仕事の関係上、現在エコミュージアムについて勉強中。「エコミュージアムへの旅」(大原一興,鹿島出版会,1999年)は、入門書としてはなかなか良い本だと思います。エコミュージアムの語源から解き明かしていくあたりが、あさみ好みです。少し思ったことを書いておきます。
でもエコミュージアムとはあんまり関係ありません。
修士論文で歴史的建造物保存論を書いた時に、古い建物を残そうというムーブメントが一体どこから生まれたものか、歴史的な建物をいかに残していくかという議論を展開しました。古い建物ブームは、きっとエコロジーブームと関係がある、と雑な議論を展開していました。そのことは以前ここに書いておきました。その議論につながる面白い文章を発見したのでここにメモしておきました。
ここで重要なのは「生活の価値」という「意思」を含む倫理的なものというあたりなのではないかと思っています。こうしたムーブメントは、それが「意思」で、「倫理」であるがゆえに、経済原則からだけでは成立しない(つまり算盤に乗らない)ムーブメントであり続けてきたわけですが、ここへ来てどうもトレンドになりつつある。このあたりは先般ここに記した通りです。
トレンドになり始めたのはまさに私が学生のころ、すなわち今から十数年前からではないでしょうか。それ以前から私は、市民の価値観が変わらない限り、世の中は変わらないし、市民の価値観が変わるとすれば、それは快楽(あるいは欲望)の形が変化した時だろうと言い続けてきました。今やトレンドと言ってよいと思います。トレンドというよりも作法と言った方が正しいでしょうか。
以前、私が思っていたのとは少し違う形ではありますが、快楽(あるいは欲望)のあり方が変質しつつあるということのようですね。もう少し突っ込んだ議論にしていきたいのですが、どうもまとまりません。というか、議論にしようもないのかな。
この問題も簡単じゃないです。ではでは。
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