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2004.09.22

この国の変化

 ふだんほとんどテレビを見ない私です。
 帰りも遅いことが当然のようになっているため、眠っている妻子を起こすわけにもいかず、勢いテレビを見ない生活が続いています。先日(月曜日でしたか?)は、娘にたまには早く帰って来いなどと言われ、いそいそと家に帰りました。(娘はそれでも既に寝ていましたが、、、、)
 そんな訳でテレビなんぞを見ていたわけですが、、、。すごいね。世の中って変わりつつあるようですね。実感しました。というのは、

□ひとつめ
 都会を捨てて、南の島や北海道の田舎で暮らすライフスタイルが、かなり具体的に実現可能な魅力的なプランとして取り上げられていたりするわけです。「田舎暮らし」が一つの流行のようになってきていること、スローライフなんて言葉があたりまえのように使われていること。少なくとも10年前はこんな感じじゃなかったと思います。

私は、基本的にこうしたスローライフ礼賛のムーブメントは、自然環境への配慮・環境共生的思想と同根であり、さらには歴史的建造物保存のムーブメントとも根は同じという直感を持っています。(この直感を支える根拠をどこに見出したらいいのかが、今のところ見えていないのが私の論の弱いところです。)そして、ムーブメントの流れだけを取り上げてみれば、1960年代後半ぐらいから顕在化した環境破壊への警告、公害反対運動あたりにそのスタートがあるのではないかと思っています。

 少なくとも今から30年前に、その論の正しさは別として、環境共生を訴えていた人たちの意識は「公害反対」という、いわばイデオロギーというか闘争であったところに、そのムーブメントが世間のトレンドになり得ない弱さがあったと思うのです。環境共生なんてことを言っているのは一部のスノッブか、あるいは学生運動(その種別・セクト?などは若者の私にはよく分かりませんが、、)で考えられていることで、普通の人たちには関係なかったのではないか。

しかし一方、その陰で、一般家庭でも、自らの生活環境が汚染されてゆくことへの恐怖から、ゴミを減らすとか、合成洗剤の使用を減らすなどの形で、細々と環境保全の動きがあったことはあったのでした。

 闘争によって市民権を勝ち得なかったこうしたムーブメントも、そうした細々とした積み重ねを通じて、ある程度の市民権を持ち始め、今では「エコ」と言わない企業は消費者から相手にされないという時代が到来しつつあるように見えます。それが地球環境の保全ための本質的な議論であるかどうかは別として、リサイクルやフロン規制、排気ガス規制、ISO14000の取得等、猫も杓子もエコ状態ですよね。
 いや、それは決して悪いことではないと思います。

□ふたつめ
 ふたつめは建築番組。健康住宅を建てた施主。こだわりの××住宅。坪単価はいくらで、外装材は△△。レンガはドラム缶の中で撹拌してエイジングを施して、、、などなど。多機能塗料の商品名なんか覚えられないくらいたくさんあるのに、いわゆる「建築素人」の皆さんが、いろいろなことを知っている。湿気を防ぐにはどうしたらいいか、結露を防ぐにはどうしたらいいか等々。
 テレビの影響ってすごいので、いいかげんなことを言ってほしくはないけれど、こうやって家に関するいろいろなことを一般の人々が正しく知ることは、とてもいいことだと思います。
 「○フォー○フター」のようなリフォーム番組が流行ったあたりからかな、風向きが変わったのは?
 そのあたりの事情はテレビをあまり見ないので良くわかりませんが、、、。

「○フォー○フター」に関して言うと、あの番組の問題点はあの安すぎる施工費用にあるような気がします。あ、でもあれ、ウソではないらしいですよ。微妙なからくりはある、と、ある匠(笑)から聞きましたけど。デザイン料を含まずってのもどうかと私は思ってますけどね。

 私なんかは、そうやって情報がフルオープンになったところをベースに建築設計をしたいと思うわけです。
 材料や工法や値段についての知識は、それは多い方がいいに決まってますけど、そういった知識はたいがいの場合、お施主さんが本気で勉強したら、たいてい追い抜かれてしまいます。

だって、こちらはそれだけに集中していられるはずがないのに、お施主さんはそのことだけ考えていたらいいわけですから、始めから勝負は付いているみたいなものです。

 そうじゃないところで勝負する。そこにこそ建築家の真価の問われる部分があると思っています。

2004 09 22 11:16 午前 [03評論欄 (建築論)] | 記事

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